※この物語で使用している用語について簡単に紹介させて頂きます。カッコ内は読み。
※ネタバレを含んでいる可能性がありますので、閲覧時にはご注意ください。
※皆さん大人なんで分かっていらっしゃるとは思いますが、全部デタラメですから本気にしないでください。
【あ】
◆あーりんダリウム合金(アーリンダリウムゴウキン)
見た目はダンボールに酷似している超硬合金。
軽さと強度を兼ね備えた素材で、構造に由来する衝撃吸収性も併せ持つ。
あーりんロボの装甲はこの素材を使用し、コルゲータ(コルゲートマシン)によって製造される。
◆アウトリガー(アウトリガー)
ボディの横にアーム(ブーム)を張り出して接地させることで、姿勢を安定させる装置。
あーりんロボの場合には脚部に装備された四本のアームが、X字状に展開される。
軟弱地盤での設置あるいは大荷重が予想される場合には、地面の陥没を防ぐために接地面積を増し面圧を下げる目的で鋼板を敷くこともある。
◆青き丘の国(アオキオカノクニ)
かつては『静かなる丘の国』といったが、鬼族の侵略を受けた際に、国名に『争(あらそう)』の字があることが縁起が悪いとされ、『青き丘の国』と表記するようになった。
お茶の名産地として栄えたが、一年ほど前に王都は鬼族の侵略を受け陥落し、数百年の栄華を誇った青き丘の国は、この地上から消滅した。
◆赤辺古四十八士団撃城(アカベコシジュウハッシダンゲキジョウ)
魔王軍四天王のひとり、炎帝・迦楼羅姫の居城。
迦楼羅姫の趣味と思われるが、内装は中華風なテイストの調度品で統一されている。
◆アフターバーナー(アフターバーナー)
あーりんロボの超高速飛行を実現たらしめている推進装置。
バーニアスラスターの排気に対して、再度燃料を吹きつけて燃焼させることで高推力を得る。
使用に際しては大量の燃料を消費するため、実際にはごく短時間しか使用できない。
◆アホアホヘクトパスカル粒子(アホアホヘクトパスカルリュウシ)
脳の神経細胞を刺激して、運動機能に対して外部からの働きかけを実現することが出来る物質。
大概は昏睡状態に陥った患者を覚醒させるための医療行為として、生命維持用のカプセル内に低濃度で散布される。
これを高濃度で摂取するとセロトニンやオキシトシンなどの、いわゆる“幸せホルモン”が大量に分泌され、あまりの「幸福感」に戦意を喪失してしまうため、例外的に暴動鎮圧の際などに武器として使用されることもある。
◆天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)
野逸港の格闘家、丸田信朗所有の武器。
スサノヲノミコトが出雲国で倒したヤマタノオロチの尾から出てきた太刀という伝説がある。
【え】
◆A&R(エーアンドアール)
アーティスト・アンド・レパートリーの略で、レコード会社における職務の一つ。
アーティストの発掘、契約、育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘、契約、制作を担当する。
また、企業形態によっては上記の職務だけでなく企画、制作、宣伝に至るまでレコード会社の業務全般について幅広く責任者として携わる場合もある。
◆出エジプト記(エクソダス)
旧約聖書における二番目の書であり、指導者であるモーゼが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。
モーゼ一行はエジプト軍によって海岸に追い詰められたが、モーゼが神に祈ると神は火の柱でエジプト軍の進攻を防ぎ、紅海を二つに割ってモーゼたちにその海底を歩かせ対岸まで逃れさせたというエピソードが有名。
◆NHKホール(エヌエイチケイホール)
青き丘の国の北の最果ての樹海の中にある、不思議な地下通路へ続く穴。
天魁獏羅天と迦楼羅姫の居城があるカンナミ国へ行くためには唯一この穴を通るしか方法が無い。
この穴は、古(いにしえ)より『なんだか(N)、へんな(H)、カナコの(K)、エクボは恋の落とし穴(ホール)』と呼ばれているが、それだと長いため、通称“NHKホール”と呼ばれている。
◆エビ反り(エビゾリ)
歌舞伎で使われる演技様式のひとつで、相手の威力に圧倒される様子などを様式的に表現したもの。
片手または両手をかざして、海老のように反ることから『エビ反り』と命名された。
立廻りや殺し場などで多く見ることができる。
特に女方(オンナガタ)によるエビ反りは美しいとされ、代表的な例として『積恋雪関扉(ツモルコイユキノセキノト)』や『鷺娘(サギムスメ)』あるいは『行くぜっ!怪盗少女(イクゼッ!カイトウショウジョ)』などが挙げられる。
◆FBC(エフビーシー)
フードバトルチャンピオンシップの略で、大喰い大会イベントのこと。
毎年全国大会が開催され、今年の開催地は野逸コロシアムであった。
ちなみに今年の対戦種目は『わんこそば』である。
◆MTH団(エムティーエイチダン)
相州一帯を中心に活動している賞金稼ぎ(バウンティハンター)の集団。
ももたろうの首にかけられた賞金を狙って、相州於の島のムニエル・クッキング苑で開催されたマジックショーの会場に乱入してきた。
ももたろう一行の目的を知って改心し、以後ももたろうたちと共に鬼退治に邁進する。
【お】
◆オオキタ国(オオキタコク)
魔王軍四天王のひとり迦楼羅姫の生まれ故郷。
穏やかな海と広い平野があって緑が豊かな土地だったが、入植してきた人間たちによって自然は破壊され、平和な暮らしも奪われてしまった。
◆大きな桃(オオキナモモ)
星屑村のおばあさんが洗濯中に川上から流れてきた桃で、中からももたろうが生まれた。
頭にヘッドフォンとリボンがついており、目が「ク」、口が「ろ」の字を表す。
一部の人間たちにとっては“川上から流れてきた”というところに運命的なものを感じずにはいられない存在。
◆鬼(オニ)
人間界で魔界の鬼族たちを総称することば。
一般的に鬼は『皮膚の色が赤や青で、頭には角を生やした恐ろしい化け物』というイメージがあるが、これは得体が知れないモノに対する恐怖心や先入観から化け物としてのイメージが極端に膨らんでしまったためのものである。
本作では鬼をそうした化け物としては解釈せず、異なった民族という解釈をしている。
◆鬼斬丸(オニキリマル)
ももたろうがヒャ=ダイン・サントハイムから授かった電弧放電式光剣(ライトセーバー)であり、亡き富国有徳王の形見の品。
通常、電弧放電式光剣の刀身は、青や緑といったカラーリングが一般的であるが、鬼斬丸は赤い刀身であることが特徴で、これは大変に珍しい現象と言える。
これまでに多くの刀鍛冶が赤い刀身の実現に挑んだが、誰一人として再現するに至っていない。
◆オラキオのカッパ館(オラキオノカッパカン)
野逸港の近くにある河童をテーマにした美術館。
カッパに関するあらゆるものが一堂に会しており、そのコレクション数は約一万点で日本一を誇る。
その数はギネス世界記録にも認定された。
◆於島神社(オノシマジンジャ)
相州於の島にある神社で、ももたろうがイヌの女の子と最初に出会った場所。
古来より芸能の神様が奉られており、芸能を志す者の参拝が絶えない。
日本三大弁天の一つにも数えられる歴史ある神社。
◆オリーブの首飾り(オリーブノクビカザリ)
1974年にフランスで作曲されたディスコナンバーで、作曲者はクロード・モルガンである。
原題は“遊び人”を意味する『エル・ビンボ(EL BIMBO)』で、フランスで大ヒットしたあと、ヨーロッパやアメリカでも流行した。
エレガントでどこか物悲しい旋律は、マジックの際のBGMとしては定番中の定番。
【か】
◆怪盗五人女(カイトウゴニンオンナ)
江戸時代の浮世草子で原井鶴西の作と言われるが、真偽は不明である。
発刊は一六八六年(貞享三年)で、すべて当時世間に知られていた実話に基づき作成された。
五つの独立した物語で構成されており、マイクを片手に世界中を飛び回る神出鬼没の大泥棒の少女たちの活躍が活き活きと描かれている。
◆カスミガ国(カスミガコク)
魔王の居城である哭律狂気城がある場所。
もともと魔界の王都はイヨムロ国であったが、百年ほど前に発生した震災の影響が大きく、都市機能がマヒしてしまったためやむなくカスミガ国への遷都を行った。
◆黒い終末(カブラ・サダブラ)
禁忌の預言書『悪魔の掟 -Mob Rules-』に書かれているとされる、人類滅亡の預言の名称。
釈迦が説いた正しい教えが世で行われる時代が去り、鬼の支配が広がってこの世界から『色』が失われ『黒い終末(カブラ・サダブラ)』がやってくる、とする歴史観を指す。
◆暗黒招来雷電轟咆閃(カモン・ライディーン)
イヌの女の子が使用する必殺技で、電撃系の魔法攻撃。
風の精霊との契約により発動する精霊魔術で、その電気エネルギーは二十万ボルトにも達する。
効果範囲が広いため、回避は非常に困難とされる。
◆カンナミ国(カンナミコク)
NHKホールの先にある魔界で、雷帝・天魁獏羅天の居城である暴走爆音梁山泊や、炎帝・迦楼羅姫の居城である赤辺古四十八士団撃城がある。
青き丘の国とは物理的に隣接してはおらず、亜空間を通過しなければたどりつくことができない。
そのため、カンナミ国へ行くためには唯一NHKホールを通るしか方法が無い。
【き】
◆気化冷凍法(キカレイトウホウ)
あーりんロボが使用する必殺技で、冷凍系の魔法攻撃。
体から水分を気化させて熱を奪い、触れた相手を一瞬にして凍らせる技。
般若隊首領との一騎打ちの際に、首から下を凍らせて相手の攻撃を遅らせるために使用された。
◆儀装馬車(ギソウバシャ)
この世界線において、高貴な身分の人物しか乗車することを許されていない乗り物。
とりわけ閼伽凛皇女の愛機『クールビューティー号』は、漆塗りの車体に金細工が施された豪華なもので、四人乗りの車体を四頭の馬でけん引する。
◆KISSES(キッシーズ)
天魁獏羅天配下の兵士の総称。
旧帝国陸軍の制服をモチーフにした真っ黒な詰襟の戦闘服を着用している。
『馬威駆(バイク)』と呼ばれる二輪の機動兵器に分乗し、その高い機動力を活かした戦術を採用する。
◆キビダンス(キビダンス)
ももたろうがダンスの得意なおばあさんから教わった一子相伝の独特なダンス。
もともとは『キビキビした動作を心がけて踊るダンス』と呼ばれていたが、長いので『キビダンス』と略されるようになった。
股を開いて片足を上げたりする動作が多く、年頃の女の子が踊るにはやや抵抗があるが、その踊りを見たものはみな笑顔になってしまう上に、HPをマックスまで回復させるという不思議な踊り。
◆筋斗雲(キントウン)
サルの若大将が使用する雲に乗って空を飛ぶ仙術、および雲そのものの名称。
呪文によっていつでも呼び寄せることができ、マッハ1.5程度の超高速飛行が可能。
心が清らかな人物でないと乗ることができず、そうでない人物は雲からすり抜けて落ちてしまう。
【け】
◆風車式背骨激烈旋(ケブラドーラ・コン・ヒーロ)
モンキーマスクが使用する必殺技で、投げ技の一種。
通常は相手の胴に両腕を回して逆時計回りに旋回させながら持ち上げ、片膝立ちした自分の膝の上に相手の腰あるいは背中を叩きつけるが、ミスター影道戦においてモンキーマスクは相手に致命傷を与えるため後頭部へヒットさせた。
◆現金玉(ゲンキンダマ)
サルの若大将が使用する必殺技で、究極の物質召喚魔法。
原理を真面目に解説するとかなりキナ臭い話になってしまうので、そこは察して頂いて、語感の面白さに注目して楽しんで頂けると幸いです。
【こ】
◆紅白の向こう側(コウハクノムコウガワ)
魔王の居城があるカスミガ国を指す隠語。
それぞれ“紅”と“白”というカラーリングを司る迦楼羅姫と天魁獏羅天の居城はカンナミ国にあるが、カスミガ国へはこのカンナミ国を抜けて向かうルートしかなく、そのため“紅白の向こう側”と称される。
◆父なる神の愛の主題(ゴッドファーザーアイノテーマ)
天魁獏羅天配下の兵士であるKISSESたちのテーマソング。
彼らが『馬威駆(バイク)』と呼ばれる二輪の機動兵器に分乗する際には必ず爆音で流される。
彼らの勇ましい行動とは裏腹に、どこか物悲しいメロディーとなっている。
◆古代ファービー語(コダイファービーゴ)
人類が誕生する以前から、この土地にはファービーという種族が住んでいたという伝説がある。
彼らは背丈が低く、全身毛むくじゃらで、耳が極端に大きいという身体的特徴をもっていたとされる。
民話、神話、童話などには登場するが、実際に彼らが生息していたという痕跡は発見されていない。 しかしながら青き丘の国には昔から古代ファービー語が密かに伝わるという伝説的な話がある。
【さ】
◆逆川宿(サカガワジュク)
東海道の主要な宿場町で、逆川城を核とした城下町から発達した。
農業が主要産業のひとつであり、緑茶の栽培では全国屈指の産出量を誇る。
那多利新報(ナタリーシンポウ)というローカルかわら版の出版社がある。
◆逆川城(サカガワジョウ)
逆川宿の中核をなす城。
それまでは鬼族に支配されていたが、遠丹茂幸之助(ドオニモコウノスケ)という革命家が中心になって暴動を起こし、ついに城を奪取することに成功する。
逆川城と破魔待城との距離はおよそ六里(約二十四キロ)程度で、そのため破魔待城攻略の橋頭保となる。
◆逆川フルーツパーク時之栖(サカガワフルーツパークトキノスミカ)
逆川宿の北方に位置する植物園で、四十三万平方メートルもの広大な敷地を誇る。
佐藤錦、南陽、ナポレオンなど七種類の品種のさくらんぼを栽培しており、どれも完全無農薬を実現している。
農園主は省力化を実現するために工学博士である米村博士にロボット少女の開発を依頼した。
◆煉獄羅刹乱舞(サシハラスメント)
迦楼羅姫が使用する必殺技で、火炎系の魔法攻撃。
手にしていた紅蓮の炎扇を振りかざすと発動し、放たれた貫通力のある火線相手を攻撃する。
被弾すると、その攻撃力と貫通力の高さから神経細胞を破壊され、身動きができなくなってしまう。
◆稲妻十字空烈刃(サンダークロススプリットアタック)
般若隊首領が使用する必殺技で、打撃系の魔法攻撃。
「かかったなアホが!」のセリフと共に両手を交差した形で手刀が繰り出される技。
これを破った格闘者は一人としていないと思われていたが、あーりんロボの気化冷凍法の前に敗れ去る。
【し】
◆時間差ダウン(ジカンサダウン)
モンキーマスクの必殺技を喰らった際に、ミスター影道が見せた定番のムーブのひとつ。
技を受けた直後はノーダメージであるかのように振る舞い、相手を恐怖のどん底へたたき落とした後に昏倒する。
時間差ダウンとみせかけて耐える、耐えるとみせかけて倒れる、などのバリエーションも存在する。
◆じみへん(ジミヘン)
日本の漫画。
毎回様々な登場人物が、ありそうでないような『地味』な、それでいて『変』な笑いを十五コマのなかに織り交ぜられて進んでいく、らしい。
◆遮有土の森(シャーウッドノモリ)
白光音峠の目前にある広大な森。
鬼族の暴政に反抗したアウトロー集団が住んでいるというウワサがあったが、真偽は不明。
鬼の襲撃を受けて苦戦中だったももたろう一行が白光音峠守備隊の白ネコ班長とキジの女の子に助けられた場所。
◆閃光魔法撃吼(シャイニング・ウィザード)
沙羯羅竜王が使用する必殺技で、衝撃系の魔法攻撃。
超高速で移動して、相手の頭部や顔面を狙って膝蹴りを繰り出すというもの。
沙羯羅竜王の場合、体術と魔法を組み合わせることで、同時に複数人へ攻撃を行うという物理法則の超越を実現している。
◆シュヴァルツシルト(シュヴァルツシルト)
ドイツの天文学者、カール・シュヴァルツシルトによって発見された時空領域の半径のこと。
ブラックホールの周囲は非常に強い重力によって時空が著しくゆがめられ、ある半径より内側では脱出速度が光速を超えてしまうが、この半径をシュヴァルツシルト半径と呼ぶ。
またこの半径を持つ球面を事象の地平面 (シュヴァルツシルト面) と呼ぶ。
◆シュークリーム(シュークリーム)
あーりんロボの動力源となる炭水化物の塊。
中が空洞になるように生地を焼き、その空洞へカスタードクリームなどを詰めるのが標準的な仕様。 過剰摂取(オーバードース)による体脂肪の過剰蓄積を防止する目的で、あーりんロボへの供給は一日一個と制限されている。
◆上陸用舟艇(ジョウリクヨウシュウテイ)
主に上陸作戦時に使用される軍用艦艇の一種。
歩兵や装甲戦闘車両などの上陸部隊を乗せて航行し、岸辺に接舷または直接乗り上げることができる小型舟。
大型艦艇に比べて喫水が浅いのが特徴で、そのことにより揚陸地点の選択肢が増えるためリスク分散を図れるなどの利点がある。
【す】
◆ズクダンズンブングンゲーム(ズクダンズンブングンゲーム)
道具を使わずに簡便に勝敗を決めたい時などに行われる国民的ゲーム。
東南アジアの舞踊がルーツとも言われているが、定かではない。
ゲームは二人による対戦形式で行われ、それぞれが一ターン交代で『攻め』と『守り』を受け持つ。
【せ】
【そ】
◆相州於の島(ソウシュウオノシマ)
星屑村の西方に位置する相州という場所にある陸繋島(りくけいとう)。
相州を代表する景勝地であり、古くから観光名所となっている。
島の大きさは周囲4キロメートル。
最大標高は60メートルほど。
◆総選挙(ソウセンキョ)
赤辺古四十八士団撃城で定期的に行われていると思われる謎の投票制度。
城に居住する数万人のメンバーに序列をつけ、合理的で公平なヒエラルキーを構築するための手続きと思われる。
タニマチ文化の側面を多分に有し、上位のグループに属する女性たちは衣装や装飾品、そして食事の内容などであからさまに好待遇を受けることができる。
その順位は各自がそれぞれの信奉者から獲得した“愛”の総数で決定される。
【た】
【ち】
◆ちびっこハウス(チビッコハウス)
野逸の街の山あいに建っている孤児院で、サルの若大将もこの施設の出身である。
経営状態はかなり悪く、善意の寄付があるお陰でどうにか成り立っている状況である。
野逸港襲撃事件の際には沙羯羅竜王様配下の海兵隊『竜の穴(ドラゴンピット)』にまっ先に包囲されてしまう。
【て】
◆暗黒郷(ディストピア)
本来は『理想郷(ユートピア)』の反対語としての意味を持つが、理想郷に対する『理性が統制する社会』への警鐘が鳴らされるに至り、表裏一体なものとして扱われる傾向にある。
表面上はあたかも完全無欠の理想社会であるかのように見える理想郷も、(統治する側にとって)必要かつ合理的ならば、何をやっても構わないという論調を生む危険性があることは忘れてはならない。
そう、多数決であんしん、って神話は終わったのだ。
◆手代木公園(テシロパーク)
破魔待城攻略の糸口が見えず無駄な日々を過ごしていたももたろう一行が気分転換のために訪れた逆川の城下町にある公園。
園内には様々なアトラクションや、食事処が軒を連ねる。
ももたろうはこの公園で沙羯羅竜王配下の野戦部隊『般若隊(ハンニャタイ)』の襲撃を受けて窮地に陥ってしまうことになる。
【と】
◆桃園の誓い(トウエンノチカイ)
『三国志演義』の序盤で発生する有名なイベント。
劉備・関羽・張飛の三人が、宴会をしていた屋敷の裏の桃園で義兄弟となる誓いを結び、生死を共にする宣言を行ったという死亡フラグのことである。
しかし正史の『三国志』にない逸話であるため、作者の創作であるとされる。
◆飛べ!孫悟空(トベソンゴクウ)
『西遊記』をモチーフにしたザ・ドリフターズの主演によるテレビ人形劇で、番組の正式タイトルは『ヤンマーファミリーアワー 飛べ!孫悟空』である。
1977年10月から1979年3月まで、毎週火曜に全74話が放送された。
この解説文を書きながら気がついたが、『ももたろう』というお話は構造的にこの番組を踏襲してる気がしてきた…。
◆竜の穴(ドラゴンピット)
沙羯羅竜王配下の海兵隊を指す通称で、戦闘部隊としてだけではなく、悪役フードファイター養成機関としての側面も持つ。
竜の穴では気が荒く腕っ節の強い孤児たちを世界中からスカウトし、彼らを『十年計画』と称する地獄の猛特訓で淘汰して強靭な悪役フードファイターに作り上げてゆくが、過酷なトレーニングゆえ次から次へと死者が出続けるため十年後に生きて卒業できるのはごくわずかだという。
◆トラップ魔法(トラップマホウ)
あらかじめモノや場所に仕込んでおき、ある条件を満たすと自動的に発動する魔法のこと。
一見無害に見えるものに仕掛けられ、触れた者に対し捕獲・拘束・殺害などのダメージを与える罠を密かに講じるといった例が多い。
青き丘の国の王城である破魔待城の玉座には、閼伽凛皇女の自己紹介フレーズに反応して出現する極小のブラックホールが仕掛けてあった。
【な】
◆那多利新報(ナタリーシンポウ)
逆川城の城下町に本社を置く出版社が発行しているローカルかわら版。
編集方針として流行前の事象をいち早く特集紹介することが多く、その先見性が評価され支持を拡大した。
旗揚したももたろう一行が、逆川宿の民衆から歓迎を受けて逆川城に入城したことなどを伝えた。
◆#A55A4A(ナンゴクラッカセイセンニンイロ)
南国落花生仙人(ナンゴクラッカセイセンニン)の肌の色を分光放射輝度計で計測した数値を16進表記に変換したもの。
我々には(シャープ・エー・ゴ・ゴ・エー・ヨン・エー)と読めるが、実際には地球人の口の構造では発音できない音で構成されているらしい。
【に】
◆尼狐道(ニコドウ)
星屑村から西へのびている街道で、西方の青き丘の国へ続く主要幹線道路。
古代の律令制時代から整備が進み、諸国の国府に派遣された官人が諸国を巡察する為、より広く、より直線的に建設整備された。
その名称は尼僧に化けた狐の表面だけ取り繕った笑顔に、旅人がまんまと化かされた故事に由来する。
◆西の丘(ニシノオカ)
星屑村の西方にある丘陵地帯で、崖下には地平線まで見渡せるほど大きな平原が広がっている。
ももたろうにとって、たびたびそこを訪れるほどのお気に入りの場所で、ももたろうが閼伽凛皇女(アカリンコウジョ)と初めて出会った場所でもある。
【は】
◆馬威駆(バイク)
天魁獏羅天および配下のKISSESたちが搭乗する二輪の機動兵器。
二つの車輪が直列になるように前後に配置されており、原動機を動力として走行する。
天魁獏羅天が魔界の王から授かったオーバーテクノロジーの産物。
◆白光音峠(ハッコウネトウゲ)
青き丘の国と坂上見の国(サカガミノクニ)との境界付近にある、白光音カルデラ近辺の一帯を指す地名。
古来より交通の要衝であり、『天下の険(テンカノケン)』と謳われた難所で、そのふもとには宿場や関所が置かれ保養地・観光地として発展した。
毎年お正月に藩校や私塾の門下生による駅伝大会が行われることでも有名。
◆馬防柵(バボウサク)
丸太などを組み上げて野戦築城された砦、あるいは砦を構成する柵そのもの。
天魁獏羅天との決戦で、天魁獏羅天軍が使用する馬威駆に苦戦したももたろう軍が戦場に設置した対抗策。
天魁獏羅天軍は雨でぬかるんだ地面と迷路のように配置された馬防柵によって、その最大のストロングポイントである機動力を封じられてしまい、次々とももたろう鉄砲隊の標的となってしまった。
◆破魔待城(ハママツジョウ)
青き丘の国の王城で、富国有徳王や閼伽凛皇女が生まれ育った場所。
一年ほど前に沙羯羅竜王軍の猛攻を受けて陥落してしまい、それ以降沙羯羅竜王の居城となった。
城のどこかに『知識の部屋』『労働の部屋』『推理の部屋』『伝説の部屋』『会議の部屋』といった秘密の部屋が存在すると言われている。
◆腹ペコ(ハラペコ)
MTH団(エムティーエイチダン)という二十人ほどの賞金稼ぎ(バウンティハンター)の集団を構成する手下どもの総称。
ちなみに手に入れた賞金は主要メンバーが独占し、手下である腹ペコたちのギャラは飲食店で使える「腹ペコえこひいきクーポン」という地域通貨で支払われるという噂がある。
◆般若隊(ハンニャタイ)
沙羯羅竜王が支配する破魔待城に駐留している野戦専用部隊で、およそ五千人のメンバー全員が般若の面をつけている。
沙羯羅竜王に攻め滅ぼされた渥美村やその近隣の村の出身者が多く、実は沙羯羅竜王軍に最後まで抵抗した波紋の戦士たちの残党でもある。
◆般若面(ハンニャメン)
般若隊首領が忠誠の見返りとして沙羯羅竜王から授かった不思議な力を秘めた仮面。
もともとはアステカ文明の『血の儀式』で使用されていたもので、血を浴びせると骨針が飛び出して脳を刺激し、人間の未知なるパワーを引き出してくれる道具と言われている。
般若隊首領がももたろうに帰順した際に、ももたろうへ献上された。
【ひ】
◆桃魂(ピーチソウル)
平和と正義の守護者であるモノノフの騎士たちが心のより所としている概念であり、境地であり、かつ超常的な能力の源となっているもの。
『地/水/火/風/空』の生命に必要な要素を全て含んだ生命エネルギーであるとも言える。
生まれつき桃魂に敏感な者は、目には見えないこの『エネルギーの流れ』を感じ、制御あるいは操作することが可能で、それによって例えば以下のような超能力を発揮することが可能となる。
『未来の予知』『接触せずに物体を動かす』『視覚に頼らず周囲を感知する』『他人の心を読み取る、あるいは操る』『身体能力の強化』『精神的癒し・疲労回復・疾病の治癒』『霊体化』など。
◆秘技:猫ジャンプ(ヒギネコジャンプ)
星屑村の住人で、貸しボートの管理をしているアキナという女性を揶揄したことば。
彼女は驚く際になぜか後ろにジャンプしてしまうクセがあり、村の人たちからはボート屋の“秘技:猫ジャンプ”と呼ばれてからかわれている。
◆火縄銃(ヒナワジュウ)
三十年ほど前に大隅国の種子島に南蛮から伝わった最新兵器で、火薬の力で鉄の弾丸を打ち出す。
一度発射してしまうと次弾の装填に時間がかかってしまい、実戦では役に立たないと言われていたが、内山田の献策によってそれを克服し、天魁獏羅天軍に壊滅的な打撃を与えることに成功した。
【ふ】
【ほ】
◆暴走爆音梁山泊(ボウソウバクオンリョウザンパク)
魔王軍四天王のひとり、雷帝・天魁獏羅天が根城とする砦一帯を指すことば。
この場所は海抜ゼロメートル以下の内陸低地であり、古くから河川の氾濫が繰り返されることによって無数の水路と沼沢が生まれていた。
その後、頻繁な河道の変遷を経て水路や沼沢は干上がり消失したが、起伏に富んだ自然の要害が完成した。
◆星屑村(ホシクズムラ)
青き丘の国のはるか東方にある辺境の村。
山あいにある数百人規模の小さな村で、ももたろうが育った場所。
また近年では『モモリコ豚』というブランド豚の名産地としても知られている。
【ま】
◆魔王軍四天王(マオウグンシテンノウ)
魔界の王を補佐するように存在する四人の武将で、その力は魔界の王にも匹敵するほどとされている。
メンバーは以下の四名。
玄武:地帝・死洲暗黒卿(ジテイ・シスアンコクキョウ)
朱雀:炎帝・迦楼羅姫(エンテイ・カルラヒメ)
白虎:雷帝・天魁獏羅天(ライテイ・テンカイバクラテン)
青龍:氷帝・沙羯羅竜王(ヒョウテイ・シャカツラリュウオウ)
それぞれが黒、紅、白、青といったテーマカラーを持っている。
◆丸田道場(マルタドウジョウ)
野逸の街にある格闘技の道場で、道場主はFBC野逸大会の試合を捌いたレフリーの丸田信朗。
野逸港が沙羯羅竜王配下の海兵隊に襲撃された際に、丸田道場から約二百名の門弟がももたろうに加勢するため馳せ参じた。
道場内の神棚にはご神体として『天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)』という剣が安置されている。
【み】
【む】
◆月面水爆飛翔圧殺旋(ムーンサルトプレス)
沙羯羅竜王が使用する必殺技で、衝撃系の魔法攻撃。
空中へ飛翔したのちに、後方へ二百七十度回転して対戦相手めがけてボディ・プレスを仕掛ける大技。
着地した瞬間に三百六十度方向へ魔法による衝撃波が繰り出されるため、直接接触があったかどうかに関係なく周囲に大ダメージを与える。
◆ムニエル・クッキング苑(ムニエル・クッキングエン)
相州於の島の貿易商、ムニエル・クッキング氏が造成した和洋折衷の庭園跡。
現在は植物園になっており、この場所でイヌの女の子が二日間にわたってマジックショーを行った。
苑内には於の島展望灯台などを含む観光施設があり、年間約五十万人あまりもの来場者数を誇る。
【も】
◆モノノフの騎士(モノノフノキシ)
古(いにしえ)より連綿と連なる修道的平和維持組織である『モノノフ騎士団』の構成員。
万物を司る力とされる“桃魂(ピーチソウル)”を操ると言われ、彼らの存在がこの世界の平和を数万年にわたって保ってこれた原動力であったと考えられる。
哭律狂気城決戦を前に、新たに破魔待城へ終結したももたろうに忠誠を誓う十二万人ほどの戦力は『新生モノノフ騎士団』と呼ばれる。
【や】
◆野逸(ヤイツ)
青き丘の国の中部に位置する、漁港を中心に発展した港町。
遠洋漁業や水産加工業で全国的にも有名。
この地名はその昔日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の途中にこの地で賊衆に襲われた時、天叢雲剣で葦を薙ぎ倒し、そこで賊衆を迎えうち火を放って難を逃れたという神話に由来する。
その時、野山が消逸してしまうほどの業火であった、ということからこの地は『野逸』と命名された。
◆野逸コロシアム(ヤイツコロシアム)
野逸港湾局が所管する野逸臨海公園の敷地内にある全天候型の複合的商業施設。
建物は八角形の意匠でこれは法隆寺夢殿をモデルにしたと言われている。
大屋根の稜線は富士山をイメージしており、頭頂部には通称「タマネギ」と呼ばれる擬宝珠(ギボシ)が設置されている。
沙羯羅竜王配下の海兵隊を撃退した日の晩には、ちびっこハウスの孤児たちや野逸の市民を招き、ももたろう一行のスペシャルライブが実施された。
野逸バーガー(ヤイツバーガー)
野逸港のご当地バーガーで、パテは肉ではなくビンチョウマグロのメンチカツ。
厚めのカツに特製タルタルソースがかかっており、ボリュームの割にヘルシーだという評判がたっている。
ちなみにサルの若大将扮するモンキーマスクは、FBCの試合直前に控室でこのご当地ハンバーガーを十二個も食べてしまい、それが原因で流浪の画家に敗北を喫してしまう。
◆宿屋の慣用句(ヤドヤノカンヨウク)
宿屋の主人が宿泊客にかける朝のあいさつで使用する慣用句。
実際に使うとどんな恐ろしいことが起きるか分からない呪いのことば。
【ゆ】
◆幽体離脱(ユウタイリダツ)
イヌの女の子が行うとっておきのマジックで、究極の脱出マジックと呼ばれている。
演者をチェーンでぐるぐる巻きにして棺桶に入れ、その棺桶を水槽の中に沈めた後に脱出を図るという内容。
イヌの女の子以外には角田ペアというコンビがこのマジックを得意としている。
【ら】
◆電弧放電式光剣(ライトセーバー)
高出力のプラズマの刀身を持つ棒状の武器で、モノノフの騎士が好んで使用する。
プラズマの刃は何らかの物体に触れた時にのみ凄まじい熱エネルギーを放出し、殆どの物質を容易に切断あるいは貫通させることができる。
動力源である多面体の宝石“セラムン・クリスタル”から照射されるエネルギー集合体を収束させて棒状の刀身を形成する仕組み。
通常モノノフの騎士が使用する電弧放電式光剣は、青や緑といったカラーリングが一般的で赤い刀身は永らく実現が不可能とされていた。
◆ラスタースクロール(ラスタースクロール)
空間転移などのシーンに多用される画面上の演出効果。
ビデオ信号の走査タイミング(水平帰線期間)に合わせて画面をスクロールさせる画面効果およびその技術そのものを指す。
ハードウェアの性能が飛躍的に向上し、ポリゴンによるリアルタイムレンダリングが一般的になった現代では失われつつある古の技法。
【り】
◆固有結界(リアリティ・マーブル)
術者の心象風景を現実世界に具現化させ現実に侵食させて形成する結界のこと。
基本的に悪魔や精霊のみが使える異界常識であるが、一部の特殊な人間も使用することができるらしい。
“魔法”に最も近い魔術であり、魔術師の到達点の一つとされるが、魔術協会では禁呪に定められている。
【る】
◆悪魔の鉄槌(ルシファーズ・ハンマー)
天魁獏羅天が使用する必殺技で、衝撃系の魔法攻撃。
右手に魔界から負の衝撃エネルギーを大量に呼び出し、対象にたたきつける呪文。
圧縮された衝撃エネルギーの塊は内部からエネルギーを放出させながら飛翔するため、彗星のように見える。
【ろ】
◆邪道式連射原爆閃(ロコモーション・ジャーマン・スープレックス)
ミスター影道が使用する必殺技で、肉弾系の魔法攻撃。
後方から相手の腰に腕を回しクラッチしたまま空中へ飛翔し、最高到達点で後方に反り投げ、相手のクラッチを離さずそのまま地面に叩きつける技。
邪道式の場合は高く飛翔せず、連発で行うことで相手に大ダメージを与えるのが特徴である。
◆路上(ロジョウ)
学問・技芸・人格などが修練や経験不足から十分な域に達していない未熟な状態であることを指す隠語。
またはそこから転じて、必要な機材や設備、人材などが十分にそろっていない状態を指すこともある。
若さ故の過ち。
◆六角鉄棒(ロッカクカナボウ)
もともとは五体を堅強に練り上げ、呼吸法の錬成などを目的としたトレーニングアイテムだったが、構造が単純で手入れが簡単なこと、対人兵器として有効であることなどから、この世界線の鬼たちが好んで使用している武器。
長さは100センチから150センチ程度。重量は2~4㎏程度が一般的。
また、円柱形で周囲にトゲのような突起物を付けているバリエーションなども存在する。
◆ロボット刑事の刑(ロボットケイジノケイ)
あーりんロボが考案した百八の処刑方法の中のひとつ。
しかしあーりんロボが考案した処刑方法はすべて被拷問者に苦痛を与えることができず、むしろ幸福感を感じさせてしまうため希望者が殺到してしまい、拷問としては機能しなかった。
◆ロボット三原則(ロボットサンゲンソク)
SF作家アイザック・アシモフによって提唱されたロボットが従うべき指針として示された原則で、人間への安全性、命令への服従、自己防衛を目的とする3つの原則から成る。
あーりんロボはこの原則に従い、命を賭して農園の子供たちの救出に向かった。
皆さん大人なんで分かっていらっしゃるとは思いますが、全部デタラメですから本気にしないでください。
メモ
【登場人物紹介を読む】
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/secret/house-of-secrets/shin-momotaro/shin-momotaro-4/
【解説(テキストコメンタリー)を読む】
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/secret/house-of-secrets/shin-momotaro/shin-momotaro-6/
【コンテンツの一覧を見る】
終末ヒロイン伝『シン・ももたろう』
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/secret/house-of-secrets/shin-momotaro/