こんにちは。
あるいは、こんばんは。
どうも、谷崎 元です。
例によって最初に今回の僕の主張を簡潔にまとめます。
今回は
「ハッピー」はある日突然終わりを迎えるから怖い。
というお話をしたいと思います。
さて、前回のエントリーでは「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しないらしい、ということをお話しました。
あなたがまだ未読でしたら、先にそちらを読むことをお勧めします。
悲報!「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しないらしい。
https://www.hajimetanizaki.com/blog/what-is-life/
■ 多くの人は「サクセス」すると「ハッピー」になれると思っている。
前回の繰り返しになりますが、やはり多くの人は「サクセス」すると「ハッピー」になれると思っています。
しかし、「サクセス」さえすれば、本当に「ハッピー」になれるのでしょうか?
いいえ。
残念ながら仕事で成功しながらも、私生活が崩壊している人というのは、実際にはワンサカいるのです。
僕はそのことを実例を交えてあなたにお伝えしました。
例えば、ロック界のカリスマ、矢沢永吉さんは「20代で長者番付に出たけど、心がちっとも温かくない。成功と温かくなることは別だったんだ」と述懐しています。
「20世紀最高の経営人」と呼ばれたジャック・ウェルチは経営者としては大成功を収めたものの、夫人との離婚訴訟の過程でGE社在籍時代の不透明な利益供与が暴露され、企業不祥事としてもメディアに取りざたされてしまうことになりました。
Amazonの創業者、ジェフ・ベゾスは言うまでも無く世界最大級の資産家の1人で、
世界で初めて資産が2,000億ドルを超えた人物です。
しかしAmazon創業当時から支えてくれた夫人とは離婚することとなり、その慰謝料は日本円で4兆円(!)にもなるそうです。
歌手の浜崎あゆみさんは若い女性のカリスマとして社会現象と言ってよい人気を誇っていました。
しかしその栄光の陰では、多くの葛藤や苦難があったようです。
このように他人がうらやむほどの成功をおさめたからと言って、必ずしも幸せだとは限りません。
もちろんこれらの事例は極端すぎてあなたの参考にはならないかもしれません。
ですが、ただやみくもに「サクセス」すれば必ず「ハッピー」になれるんだ、と思い込んで突き進んでしまう危険性はご理解いただけると思います。
■ 「サクセス」しなくても「ハッピー」になる方法は実在するか?
あなたは、こう言うかもしれません。
じゃあ「サクセス」しなくていいから、先に「ハッピー」になれば良いじゃん!
おっしゃる通り!
実は「サクセス」しなくても「ハッピー」になる方法というのは実在していると思います。
例えば、世間的に見れば「サクセス」とは言えないニートの人たち。
彼らがもし、毎日おもしろおかしく暮らしているのだとしたら、それはもう「ハッピー」であると言わざるを得ませんね。
「働いたら負け」という彼らの理屈にも一理あると思います。
あるいはそんな極端な例でなくとも、
- 暮らしぶりは決して豊かではないけれど、家族がいてそれなりに充実した日々を送っている。
- やりがいはともかく期待されている役割もあるし、とりあえず会社に行けば仕事がある。
- 仲の良い友人たちや、参加しているコミュニティがあって、一緒に食事をしたりお酒を飲んだりすることができる。
なぁんて人はやはり「ハッピー」なのでしょう。
特にコロナ騒動以降、それまで当たり前だと思っていたことが失われてしまいました。
それがゆえに、
「当たり前のことが目の前にあるって、こんなに幸せなことだったなんて!」
と感じる人も多いのではないでしょうか。
93年にヒットしたTHE虎舞竜の「ロード」で歌われていた
「♪ 何でもないような事が幸せだったと思う」
という世界観ですね。
なので、もしあなたが、「そうか、いたずらにサクセスを求めなくても今がハッピーならそれで良いじゃん!」と思えたなら、僕の話をこれ以上聞く必要はないかもしれませんね。
■ ではあなたに「ハッピー」の作り方をお教えします。
さて、太古の昔から「ハッピー」にフォーカスして、それを手に入れる方法は全人類が研究してきました。
代表的なものとしては「宗教」や「哲学」なんかが挙げられると思います。
これらは人類が苦しみや悩みから解放されるために編み出した英知の結晶と言えるでしょう。
あるいは「法律」や「政治」とか、はたまた「文化」なども、すべて人類が「ハッピー」になるために生まれてきたものだと僕は考えています。
また、そんなに大きな話じゃなくっても「ライフハック」とか、「自己啓発」なんてものも、苦痛や不自由から逃れて「ハッピー」になるためのテクニックを説いたものだと思います。
そう、実は「サクセス」しなくても「ハッピー」になる方法は世の中にたくさんあったのです。
・・・
閑話休題
少し話を整理してみたいと思います。
まず「ハッピー」という軸で考えた際に、大きく分けると以下のステージがあると思ってください。
A)ハッピー
B)無難
C)不幸
このうち「C)不幸」というステージに立っている人には「対処」が必要です。
こんなブログを読んでいないで、今すぐ具体的な解決方法に着手しましょう。
必要に応じて弁護士や、行政などを頼りましょう。
とにかく独りで問題を抱えないで、誰かに相談することから始めてはどうでしょうか?
次に、すでに「A)ハッピー」というステージに立っているあなた。
あなたも僕のブログを読んでも得られるものは何も無いと思いますので、もう読まなくていいと思います。
いやむしろ、この僕にハッピーのなり方をレクチャーして欲しいくらいです。
ということで、僕が一緒に学びたいのは「B)無難」という人たちです。
想像ですけど、ここが最大派閥なんじゃないでしょうか?
ホームレスになるほど貧乏でもないけど、セレブでもない「無難」なあなた……。
そんなあなたに「ハッピー」の作り方をお教えしましょう。
・・・
ここに「今すぐやめた方がいい、不幸になると科学的に証明されている5つの行動」という記事があります。
これはアメリカのウェブメディア運営会社 Gawker Media社が2005年に運営を開始したサイト「Lifehacker」の日本版に掲載されているものです。
詳しい内容はそちらを参照して欲しいのですが、ごく簡単に紹介します。
●今すぐやめた方がいい、不幸になると科学的に証明されている5つの行動
https://www.lifehacker.jp/2016/03/160316stop_to_happier.html
その記事によると以下の5つのNG行動があなたを不幸にするのだと警告しています。
つまり我々はそのNG行動を回避すれば不幸にならずにすむ、つまり「ハッピー」になれると言えますね。
【あなたを不幸にする5つのNG行動】
01.やたらとSNSを見る
他人と比較することで、孤独や妬み、自分の生活や人生に対する不満を感じることが多いから。
02.屋内に1日中いる
自然の中で過ごすと自制心が高まり、気分も上向き、イノベーションや新しいひらめきを促し、当然ながら身体的な健康にも良い。
03.物質主義的になる
基本的な生活に必要なものが満たされると、物質的に過剰に良いものを手に入れたくなる。
04.いつも忙しくする
休憩をすることで、脳に注意力ややる気が蓄えられ、生産性や創造性が促される。
毎日最高レベルのパフォーマンスをするためにも、単に記憶を安定させるためにも、休息は不可欠。
05.創造性を押し殺す
創造的に自分を表現することで、病気になるリスクが減ると同時に、幸福を感じるようになる。
芸術はストレスや不安を軽減し、前向きな気持ちを増進させる。
・・・
いかがでしょうか。
上記の行動をしなければ、あなたも逆説的に「ハッピー」になれそうですか?
もしそうならそれはそれでよかったです。
でも、僕はこの話にはまだ先があると思っています。
一つ目は
「手に入れたハッピーではいつか満足しなくなる日がやってくる」
です。
二つ目は
「ハッピーはある日突然終わりを迎えることがあるから恐ろしい」
です。
■ 手に入れたハッピーではいつか満足しなくなる日がやってくる。
人間というのは欲深い生き物です。
何かを手に入れても満足するのは最初だけ。
すぐに物足りなくなってしまいます。
一度手に入れた生活レベルを落とせないというのもそういう理由からでしょう。
なので僕たち人間には、いつか必ず現在の「ハッピー」では満足出来なくなる日がやってくるのです。
仮にもし、あなたが現在の生活レベルに満足していて、若いころの生活レベルとたいして変わらないよ、と感じていても「便利さ」という点では確実にレベルは上がっているのです。
例えばスマホの無い生活を考えられますか?
お風呂を沸すために蒔きを割る暮らしを想像できますか?
ニュースは新聞から手に入れなければならないし、遠方の人に何かを伝えたいときは手紙しか手段がなかったらどうでしょう?
そんな時代の暮らしに戻れるでしょうか?
そうなんです、文明が進歩して暮らしが便利になってしまう以上、実は「ハッピー」だってインフレを起こしてしまう宿命にあるのです。
これは贅沢をするということとは別に進行する「病」とも言えるでしょう。
では現在の「ハッピー」では満足出来なくなってしまった場合には、いったいどうすれば良いのでしょうか?
その時はもう、全力で自分は今の状態が「ハッピー」なのだ、と自分に言い聞かせるか、「サクセス」して「ハッピー」のステージを上げるしかありません。
■ ハッピーはある日突然終わりを迎えることがあるから恐ろしい。
次に、一度手に入れた「ハッピー」は失われないのか?
という点についても想像してみてください。
その前に、愛する家族や恋人、あるいはペットのような、お金で買えない存在を失った場合はどんなに「サクセス」している人だってどうしようもないので、例外として除外します。
ここでは経済的なバックボーンの上に成立している「ハッピー」を取り上げましょう。
現時点で「ハッピー」だ、という人であっても経済的に破綻した瞬間に不幸に転落してしまうことでしょう。
例えば
・勤めていた会社が急に倒産してしまった
・事故で大けがをして働けなくなってしまった
・保証人として巨額の負債を背負わされた
などということが起きれば、いかにあなたが「サクセス」とは無関係に「ハッピー」だったとしても、現在の「ハッピー」をこの先も維持してゆくことは難しいでしょう。
だから「労働」と等価交換で得た「ハッピー」というのは、かくも不安定なものだったということがご理解いただけたと思います。
■ 「ハッピー」なのにも関わらず、恐怖を感じてしまう僕たち。
今回の結論ですが、
「サクセス」せずに「ハッピー」になることは可能だ。
でも、より大きな「ハッピー」を得る、あるいは手に入れた「ハッピー」の維持には、結局ある程度の「サクセス」は必要なんだということです。
あなたが日々の暮らしの中で
「ああ、当たり前の生活って、なんて幸せなんだろう」
というふうに感じていたとします。
いや、その当たり前の幸せを維持するために金が必要なんですよ。
だからみんな今が「ハッピー」なのにも関わらず、恐怖を感じてしまうんじゃないでしょうか?
・・・
さて、とりあえず今回の僕の話はこれでおしまいです。
でも、まだ僕の話は始まったばかりです。
このブログを通じてあなたが現在の「イケてない自分」と、理想として思い描いている「イケている自分」とのギャップを埋めるヒントをお伝えできたらいいなと思います。
もしよかったらまた遊びにきてください。
僕は今日も地球の片隅で、目立たない戦いをしています。
メモ
【続きの記事を読む】
#0003│「サクセス」と「ハピネス」は循環する混然一体とした概念
残念ながら「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しません。しかし「ハピネス」だけを先に手に入れたとしてもを継続するためには、結局「サクセス」が必要です。このように「サクセス」と「ハピネス」まるで循環する混然一体とした存在であるというのが僕の主張です。
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/content/what-is-life-3/
【ひとつ前の記事を読む】
#0001│悲報!「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しないらしい。
結論から言うと「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しません。「仕事で成功しながら、私生活が崩壊している人」の実例を交えながら、その悲しい現実を検証します。でも絶望しないでください。その現実を受け入れることが理想の人生の出発点なのですから。
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/blog/what-is-life/
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シリーズ:凡人おじさんのウケウリ幸福論
⇒https://www.hajimetanizaki.com/content/series-successhappiness/