■ 第4位:このデジタル全盛時代にいまさら手書きとか時代遅れでしょう(笑)
特にデジタルネイティブの若い世代の人からしたら、手書きは時代遅れに感じてしまうかもしれませんね。
ですがバレットジャーナルでは手書きをすることにこだわっています。
考えられる理由はいくつもあります。
代表的なものをいくつかご紹介しますね。
●「今」に集中することができる。
手で文字を書くという行為は、ほかのどんなメカニズムよりも神経学的なレベルで意識を「今」に向ける手助けになるそうです。
確かに手書きだと視線はペン先の文字に集中しますが、パソコンの場合、モニタの周囲やキーボードなど、周囲に視線が移りがちになってしまいますよね。
●より理解度が深まる。
手書きの場合、自分の思考を整理しながらペンを走らせるため、ひとつの物事に対する理解度が深まります。
これは「SAGE Journals」などの論文にも掲載されいるそうです。
●発想が自由で豊かになる。
パソコンを使用するということは、決められたフォーマットに従うことを意味します。
でも手書きなら書く場所もフォーマットについてもあなたの自由です。
イレギュラーな出来事すらも吸収できる懐の深さを持っています。
東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長によると、手書きで文章を書くという行為が思考や創造性を担う脳の前頭前野を活性化させてくれるるのだそうです。
●手書きは面倒である。
面倒であることにどんなメリットが?
あなたはそう思われたかもしれません。
バレットジャーナルでは、その日に処理するタスクを書き出しますが、一日の終わりに残ったタスクの処理方法を検討します。
翌日に持ち越すのか、あるいは処理することそのものをやめてしまうのか…。
もちろん一度は必要だと思って書き出したタスクではありますが、客観的な頭で精査することになります。
タスクの精査を行うための「判断基準」はいたってシンプルです。
それは「自分にとって重要か?自分の人生に価値を加えるか?」です。
誰だって手書きは面倒です。
だからもし翌日のタスクとして書き写すのが面倒に感じてしまったらならば、それはしょせん削除されるべきタスクだったということです。
このようにリフレクションによってバレットジャーナルをその時のあなたに最適化することがバレットジャーナルの重要な役割なのです。
■ 第3位:バレットジャーナルなんてもう「オワコン」じゃないですか?
アメリカ人デジタルプロダクト・デザイナーのライダー・キャロル氏がバレットジャーナルを体系化したのは、すでに2000年代の後半のことでした。
その後、日本では2015年ごろから徐々に知られるようになりました。
そういう意味では確かに「最新のトレンド」というにはいささか時間が経っていますね。
以下の画像をご覧ください。
これはGoogle Trends(グーグルトレンド)による「バレットジャーナル」の傾向分析です。
Google Trends(グーグルトレンド)はある単語がGoogleで「どれだけ検索されているか?」というトレンドをグラフで見ることができるツールです。
これを見ると2017年の秋ごろに最初のピークを迎えるものの、その後はずっと頭打ちになっている印象を受けますね。
ですが、それだけでバレットジャーナルを「オワコン」と判断してしまうのは早計というものです。
実は考案者のライダー・キャロル氏本人による初の公式ガイドブックが日本で出版されたのは2019年の4月のことで、その際には大きな注目を集めました。
公式ガイドブックの出版を境に、それまで誤解されていたバレットジャーナルの本質的な部分に注目が集まってきたことを感じます。
バレットジャーナルは決して「オワコン」なんかじゃありませんよ。
むしろアフターコロナの世界をあなたがどう生きるべきかを考えるきっかけになるものとして、これから活躍してくれるツールだと確信しています。
■ 第2位:手間をかけずに手書きでささっと記録しておくことが重要ですよね?
はい、その通りです。
バレットジャーナルはこのデジタル全盛期において、手書きにこだわっているところが特徴のひとつだと思います。
ただ、手書きというのは大量の文字を書くのには不向きですよね。
時間がかかるし、なんせ疲れちゃうから(笑)
そういう背景があるので、バレットジャーナルではなるべく記号や短文を使って情報を記録し、整理している訳なんです。
バレットジャーナルでは、その手法を「ラピッド・ロギング」と呼んでいます。
・・・
ところで僕はこの質問には危うい点があるなと感じています。
どういうことかというと、「ラピッド(迅速)」に「ロギング(記録)」するというのはインプットにおけるテクニックのひとつにすぎません。
バレットジャーナルの最終目的はノートを上手に使いこなすことではありません。
あなたの人生に価値を加えることこそが重要なのです。
そのためにバレットジャーナルでは「リフレクション」という儀式を重要視しています。
リフレクションというのは、日本語では「内省」や「熟考」という意味に訳されます。
これは自分のペースで「意識的に振り返る」ことを意味しています。
では、何をどう振り返るのか?
という話ですが、これはリストアップしたタスクが「出来た/出来なかった」という反省やリストアップされたタスクの進捗の確認ではありません。
どちらかというと
リストアップされたタスクそのものに意味があったのか?
とか
リストアップされたタスクは自分の人生に価値を加えるか?
という点に考えを巡らせることが重要なんです。
まとめると
大事なのはインプットではない。リフレクションすること。
なのです。
・・・
いよいよ次は最後のページになります。
僕が繰り返し語ってきたバレットジャーナルの本質についてご説明します。