こんにちは。
あるいは、こんばんは。
どうも、谷崎 元です。
今回も「サクセス」と「ハピネス」の関係性について、僕の主張を聞いて欲しいです。
その前に、これまでの僕の主張をまとめると以下のようになります。
01.「サクセス」の先に「ハピネス」は存在しない。
02.実は「サクセス」しなくても「ハピネス」を手に入れる方法は存在する。
03.しかし「ハピネス」はインフレを起こし、いずれ物足りなくなってしまう。
04.また「ハピネス」を「労働」による対価で維持している場合は突然終わりを迎える危険性がある。
05.だから「ハピネス」を継続するためには結局「サクセス」が必要だ。
このように「サクセス」と「ハピネス」は独立した別々の概念ではなく、まるで循環する混然一体とした存在なのではないかと思うのです。
何を言っているのか分かりにくいと思ったら、過去2回のエントリを先に読んでください。
参考
悲報!「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しないらしい。
https://www.hajimetanizaki.com/blog/what-is-life/
「サクセス」せずに「ハッピー」になる方法はある。がしかし。
https://www.hajimetanizaki.com/blog/what-is-life-2/
さて、前回のエントリでは「PPM」というフレームワークを使って「サクセス」と「ハピネス」の関係性について説明しました。
簡単に言うと田の字型の表があって、
表の縦軸が「ハピネス」の度合い。
表の横軸が「サクセス」の度合い。
だと思ってください。
この場合、以下の4つのボックスができるということです。
01.左下:「ハピネス=低」×「サクセス=小」
02.右下:「ハピネス=低」×「サクセス=大」
03.左上:「ハピネス=高」×「サクセス=小」
04.右上:「ハピネス=高」×「サクセス=大」
■ 「ハピネス=低」×「サクセス=高」は私生活が崩壊している人
右下は「ハピネス=低」×「サクセス=高」という領域です。
ここは「仕事で成功しながらも、私生活が崩壊している人」の典型と言えます。
このシリーズの最初に説明しましたが、どれだけ成功を収めても不幸になってしまっては意味がありません。
例えばAmazonの創業者、ジェフ・ベゾスや「20世紀最高の経営人」と呼ばれたジャック・ウェルチは経営者としては大成功を収めたものの、夫人との離婚訴訟などで私生活は崩壊しています。
歌手の浜崎あゆみさんは若い女性のカリスマとして社会現象と言ってよい人気を誇っていましたが、その栄光の陰では、多くの葛藤や苦難があったようです。
ロック界のカリスマ、矢沢永吉さんは「20代で長者番付に出たけど、心がちっとも温かくない。成功と温かくなることは別だったんだ」と述懐しています。
このように他人がうらやむほどの成功をおさめたからと言って、必ずしも幸せだとは限りません。
こうした例は世界中にあふれかえっているのです。
そんな訳で僕はあなたに、ただやみくもに「サクセス」したって、必ずしも「ハピネス」を手に入れることは出来ないよ、と警告しているのです。
■ 優秀であるがゆえに勝負から降りられないあなたへ
現在この右下の領域にいる人は総じて優秀なのでしょう。
ビジネスでの成功を収めているので、当たり前と言えば当たり前ではありますが。
でも僕はそういう成功者の皆さんに、あるいは成功を夢見てがむしゃらに頑張っている人に向けて「少しだけスピードを緩めて自分を見つめ直してみたらいかがですか?」ということを提案したいのです。
優秀なな人は優秀であるがゆえに、その「サクセス」を得るための戦いに勝機を感じていると思います。
確かに勝てると思っている勝負から降りる理由はありませんからね。
しかし、繰り返しになりますが、頑張って「サクセス」を手に入れたとして、その先に「ハピネス」が存在しないかもしれないんですよ?
それはとても恐ろしいことだとは思いませんか?
多くの実例が示すように、「サクセス」だけを目指すのは危険です。
そこで、あなたのリソースを少しでも「ハピネス」を高めるために使いませんか?
具体的に何をするかについては人それぞれだとは思いますが、あなたのリソースをあなたの「ハピネス」を高めるために投資しませんか?
■ 僕もかつては「サクセス」を夢見た青年だった
ここで少しだけ僕の話をさせてください。
僕は20年くらい前に、事業に失敗して破産したことがあります。
その時は、人生で最も不幸なタイミングだったと思います。
残念ながら僕は事業に打ち込んだけれども、経営に失敗してしまいました。(その意味では「サクセス」すらしていないとも言えますが)
それでも少しづつ会社が大きくなることに手ごたえは感じていました。
ですが、振り返ってみるとその当時はとても苦しかったことを覚えています。
仕事で成功を目指しながら、私生活は崩壊に向かいつつあったのです。
結果的に僕は個人補償が6,000万円を超えた時点でギブアップして、個人での民事再生を申請することになりました。
そしてちょうど同じころ、家庭を顧みなかった結果として、僕の奥さんは不倫の末に僕から離れて行ってしまいました。
さらに時を同じくして父親が認知症になってしまい、僕だけでなく家族全員にとって不幸の連鎖が止まらない時期を過ごすことになるのです。
その時期は本当に不幸だと感じていました。
自殺を考えたことだって何度もありました。
でもまあ、結果的に僕は生きています。
現在は「サクセス」からはかけ離れた場所にいるけれど、とても幸せを感じています。
■ 僕はあなたに「サクセス」を手放せと言っているのではありません。
今にして思えは、別に破産したから不幸だった訳ではありません。
「サクセス」だけを目指すことが危険だということに気がついていなかったことが不幸なのです。
伝え方が難しいのですが、僕は自分が「サクセス」に失敗したから嫉妬心からあなたの足を引っ張ろう、というのではありません。
それどころか、むしろ引き続き「サクセス」を目指すべきだと考えています。
しかしあまりにも「サクセス」を目指し過ぎて「ハピネス」がゼロなのであれば、それは問題だと指摘したいだけなんです。
現在表の右方向にだけ強いベクトルが向いているのであれば、少しでいいから上方向、つまり「ハピネス」に向かうようにしてはいかがでしょうか?
上のイラストで言えば「A」の方向だけじゃなく、「B」の方向のベクトルにもリソースを割いてみませんか?
■ あなたが次元上昇するための処方箋
「ハピネス」の方向へベクトルを引き上げる方法はいくつかあると思いますが、思いつくところをいくつか挙げますね。
・健康
・家庭環境
・人間関係
・人格形成
・学習
・趣味
・投資
これらが「ハピネス」方向へあなたを次元上昇させる処方箋になるのではないかと思います。
○ 健康について
僕はあなたが「ハピネス」を実感するのに、最も重要な要素が「健康」であると考えます。
健康であることが、すべての活動の源であると思います。
もしかすると僕のこのブログを読んでいる方の中には、病気を患っていたり障害を抱えながら生きている方がいらっしゃるかもしれません。
それでも、自分のコンディションを最適な状態に保つ努力はすべきなんだろうと思います。
そして常に「上機嫌」でいること。
これはあなたにとって(あなたの周囲の人たちにも!)本当に重要なことだと思います。
まずは少し気を落ち着けて、あなた自身の健康維持、あるいは向上プランを考えてみてください。
あなたの健康面での夢や目標は何ですか?
○ 家庭環境について
あなたが健康かつ上機嫌であるためには「家庭環境」も重要な要素です。
もしあなたが家族と暮らしているなら、家族に何がしてあげられるかを考えてみましょう。
また今まで家族がしてくれたことで、当たり前だと思っていたことはありませんか?
この機会に感謝の気持ちを伝えましょう。
もしあなたが家族と離れて暮らしているとしたら?
遠く離れた家族にだって出来ることはあるはずです。
例えば僕の話で恐縮ですが、僕には離れた場所に暮らす姉がいます。
僕は毎週水曜日の朝に、姉にLINEのメッセージで近況を送ることを習慣にしています。
もしあなたが天涯孤独だとしたら。
その場合でも「家庭=室内」の「環境」はとても重要です。
整理整頓を心がけ、規則正しい生活をおくりましょう。
自分自身と衣類や寝具、そして室内について清潔であることを心がけましょう!
○ 人間関係について
誰しもが他人とかかわりなく生きることはできません。
また、悩みの多くは「人間関係」に由来します。
それほどまでに僕らにとって「人間関係」は重要です。
だからあらゆる場所で良好な人間関係を形成しましょう。
それがあなたにとってなによりも「ハピネス」を実現するための手助けになることでしょう。
仕事で関わる人たちは特に重要ですが、それ以外の人たちのことも気にかける心の余裕を持ちませんか?
たとえ気の置けない友人関係であってもぞんざいに扱ってよいことなどありません。
また対価を支払っているからといって、コンビニの店員やウエイターを下に見てはいけませんね。
SNSも例外ではありません。
あなたの匿名性が守られているからといって、無駄に相手を攻撃したり、貶めるような行為は慎みましょう。
すべてはあなたが上機嫌であるための秘訣だと思ってください。
○ 人格形成について
人間関係にも通じるものがありますが、あなた自身の「人格形成」をプランニングしましょう。
人格を磨くために何ができますか?
なにも立派な志が無くちゃいけませんと言いたい訳じゃありませんし、ボランティアに参加しろと言いたい訳でもありません。
ましてやスピリチュアルな何かを始めなさいという案内でもありません。
例えば今日一日腹を立てずに過ごすとか、周囲の人で尊敬できる人を観察して真似をしてみるとか、そいう些細なことで良いのです。
あなたが少しでも良いと感じる方向に、人格を高めてゆくことが出来たら最高じゃありませんか?
○ 学習について
大人だからこそ、「学習」する機会を作りませんか?
学習とはすなわち自己投資だと思います。
大人のたしなみとして、自己投資である学習に時間とお金を使うべきではありませんか?
例えば仕事に直結する資格の勉強なんていうのも有意義ですよね。
仕事の上でのステップアップが目指せます。
また仕事に関係の無い資格であっても、学習することがマイナスに働いたりはしないでしょう。
人生を豊かにする手助けになると思いますので、是非自分の将来を思い描きながら学習プランを考えてみてください。
○ 趣味について
「趣味」を持ちませんか?
趣味の存在が確実にあなたの人生を豊かにしてくれます。
時間の使い道が分からなくて無駄にしてしまうくらいなら、積極的に趣味の時間を確保しましょうよ。
それがたとえ「遊び」に分類されることだとしても、とことん突き詰めることであなたの「ハピネス」度合いが上昇すること間違いないです。
また趣味の世界で出会った仲間の存在も貴重です。
仕事上の付き合いとは違ってそこには利害が関係しません。
もしかすると年齢や性別や住んでいる場所などが関係無い分、それまでのあなたと出会うことがなかったような珍しい人々との出会いが待っているかもしれませんよ?
○ 投資について
仕事以外の収入を得るという意味で、「投資」をおすすめします。
僕は「労働」と等価交換で得た「ハピネス」というものが、とても不安定な存在なんじゃないかって思っています。
例えば
・勤めていた会社が急に倒産してしまった
・事故で大けがをして働けなくなってしまった
・保証人として巨額の負債を背負わされた
なんてことが、あなたの身に起きないという保証はどこにもありません。
もし今言ったような出来事が起きてしまったら、あなたの「ハピネス」をこの先も維持してゆくことは難しいでしょう。
だから今のうちからアクシデントに備えておきましょう。
仕事以外の収入の柱があることは、あなたに安心感を与えることになるでしょう。
「年金2,000万円不足問題」というものが取りざたされてからだいぶたちますが、そうした将来の不安に対しても有効な解決策だと思います。
また実際に投資するかしないかは別として、資産運用の勉強をすることは決してマイナスにはならないと思いますよ。
■ 優秀であるがゆえに勝負から降りられないあなたへ
今回の結論ですが、
あなたが「サクセス」を目指すことは大いに結構なことだと思います。
ですが、それが誰かの犠牲の上に成り立つものだとしたら、僕としては少し冷静になって周囲を見回してみてはどうですかと言いたいです。
あなた自身やあなたの家族を犠牲にして得られる「サクセス」なんて、意味があるのでしょうか?
是非今一度現在の暮らしぶりを評価してみてください。
とりあえず今回の僕の話はこれでおしまいです。
でも、まだ僕の話は始まったばかりです。
このブログを通じてあなたが現在の「イケてない自分」と、理想として思い描いている「イケている自分」とのギャップを埋めるヒントをお伝えできたらいいなと思います。
もしよかったらまた遊びにきてください。
僕は今日も地球の片隅で、目立たない戦いをしています。
それではごめんください。
・・・
PexelsのMART PRODUCTIONによる写真
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メモ
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断捨離、ミニマリスト、田舎暮らしといったムーブメントなども相まって、「貧乏暮らし」というのがブームになっています。激しい競争の世界から逃れて穏やかな暮らしを手に入れることは間違っていないと思いますが、実はそれ新たな恐怖の始まりだったのです。
⇒https://www.hajimetanizaki.com/content/what-is-life-5/
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#0003│「サクセス」と「ハピネス」は循環する混然一体とした概念
残念ながら「サクセス」の先に「ハッピー」は存在しません。しかし「ハピネス」だけを先に手に入れたとしてもを継続するためには、結局「サクセス」が必要です。このように「サクセス」と「ハピネス」まるで循環する混然一体とした存在であるというのが僕の主張です。
⇒ https://www.hajimetanizaki.com/content/what-is-life-3/
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シリーズ:凡人おじさんのウケウリ幸福論
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