解説(テキストコメンタリー)

■プロローグ│Carmina Burana da Z

○タイトルについて

 このお話を書くにあたって、僕は各章のタイトルをももクロの曲名をもじったものにしようと決めていました。

 そしてこのプロローグのタイトルは「Carmina Burana da Z」としました。

 Wikipediaによれば、Carmina Buranaは19世紀初めにドイツ南部のボイレン修道院で発見された詩歌集なのだそうです。

 もちろんももクロたちの楽曲ではありません。でもキックボクサーのジェロム・レ・バンナが入場曲として採用していたこともあって、僕には耳馴染みのある曲でした。

 荘厳な感じとスケール感のあるコーラスが、このファンタジー世界のオープニングには相応しいと考えていました。

○カタバミについて

「大広間の北側は数段高くなっており、中央には大きな玉座が設置されている。奥の壁には、両側に四つ葉の“カタバミ”をモチーフにした軍旗が飾られていた。」

 2013年12月21日放送の「タモリ倶楽部」に、リーダーの夏菜子ちゃんが出演しました。

 番組のタイトルは「哀愁ネーム雑草図鑑」というものだったのですが、その放送の中で東京農工大の藤井義晴教授から「クローバーの葉をハート形で描くのは間違いで、あれは実はカタバミなんです」という指摘があり、その場が凍りついた、という事件がありました。

 なので前述の記載はその事件をネタに書かせて頂きました。

○玉座の仕掛けについて

「では姫よ。こちらへ参れ。玉座の仕掛けを授けよう…」」

 筆者本人的には本編「第拾壱楽章」の伏線のつもりです(笑)

 でも実はまだこのタイミングでは、どうやって使おうか考えていませんでした。未来の自分に後を託した気分です。

○締めの文章について

「そしてこれが、色を奪われようとしている世界の、ものがたりのはじまり――――。」

 エピローグの最後のことばは、この文章と対になるものにしようと決めていました。どんな文章になったかは本編の「エピローグ:キミとセイカイ」をご覧ください。

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